ここ最近、ハイレゾ・オーディオが一気に注目を集めています。
ハイレゾ・オーディオに関する製品は従来から存在してはいましたが、2013年の秋にソニーがハイレゾ製品群を続々と発表し、楽曲のダウンロードサイトでも本格的にハイレゾ楽曲を提供し始めたことで、瞬く間にメジャーの舞台に躍り出たのです。
特に爆発的に人気が出ているのがウォークマンのフラッグシップ「NW-ZX1」です。売価で7万円以上するので、決して安い買い物ではないのですが(Amazonの商品ページを見る)、それでも先週ヨドバシカメラの店員に聞いたら売り切れ中で今注文してもひと月待ち。
こだわりの逸品には人気が集まりますね!!
ハイレゾ・オーディオとは
ハイレゾ・オーディオとはCD音質を超えた、高音質のオーディオのことです。
ハイレゾとはハイレゾリューションの略。高解像度という意味でビデオでは一般画質からハイビジョン画質(地デジやブルーレイなど)に変わるときによく使われた言葉ですが、今度は音楽がハイレゾになるというわけです。
具体的にはどう変わるかと言うと、今までは音楽の販売はCDが主流だったので楽曲はCD音質というのが基本でした。それが「44.1kHz/16bit」です。
レコードからCDに移行する際、オーディオコンポやラジカセ、ウォークマンなどがCDを再生するための性能を基準にして作られてきました。
iPodが登場して携帯型音楽プレーヤーでの視聴は、音楽CDをパソコン等で楽曲ファイルに変換(リッピング)する方法が主流になりました。その場合でも、如何に音質を低下させずに楽曲ファイルに変換させるかの工夫はあったにしても、基本的にはCDの音質が基本だったのです。
しかし、ここ数年、楽曲はCD販売からネットでのダウンロード販売にシフトしてきています。そうなると、流通のためのディスクとなりつつあるCDに収録するためにいろいろと制限があった音質にこだわる必要がなくなってきたのです。
そこで、CDに収録することはできないけれど、CD規格の音質を遥かに超えた、元の音源に近い音質の「ハイレゾ楽曲」で提供する流れができました。
ハイレゾ楽曲はCD音質の「44.1kHz/16bit」を超えるハイクオリティーな楽曲の総称です。「96kHz/24bit」や「192kHz/24bit」など数種類の仕様のものが販売されています。
この楽曲を再生するにはハイレゾ楽曲に対応した機械、すなわちウォークマンなどの携帯プレーヤー、あるいはコンポ、ラジカセ、ヘッドホンなどの見直しが必要になりますが、それらを揃えても良質な音楽に触れたい、というユーザーが増えています。
ソニーの本格参入によって、ユーザーの注目が一気に加速したというわけです。
Text: 神崎洋治
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