■ スマホのマナーを教えたい
前回、世界的な話題となった
「母から息子へ、スマホを使うための18のルール」を紹介しました。
米国のマサチューセッツ州に住むお母さんから13歳の息子へのメッセージですね。
すべての生活習慣にはルール(規則)、慣習、マナーがありますが、それは時代とともに育まれる一面もあって、ケータイやスマホのように急激に進化・発展した文化はマナーや常識、が後から付いてくることになります。
明確なマナーが最初からうたわれていないため、知り得ない、気付かないことが多いのです。
子供は特に成長とともに様々なことを学びますが、親や社会がマナーやルールを定義してあげないと、友達同士の慣習やそのときのやり方をマナーやルールとして当てはめてしまい、それが結果的に社会と合わないということにもなります。
例えば、スマホやケータイで下記の事柄は、周囲のヒトはとても迷惑に感じますが、誰も注意しなければ迷惑だと気付かないヒトも多いのです。
・スマホの画面を見ながら歩く、スマホの操作をしながら歩く
電車を降りた途端にスマホを出して画面を見ながら歩き出す人もいます。
電車に乗っているときに見ればいいのに…
流れの妨げになったり、通行レーンを見ていなかったり、ラッシュ時にはぶつかりな
がら歩いています。
・スマホの画面を見ながら自転車に乗る、音楽を聴きながら自転車に乗る
重大な事故の原因になる、として規制が検討されていますが、そもそもまずは、マナ
ー違反だとする声を上げることでしょう。
スマホの画面に夢中になり、自転車で歩行者にぶつかれば怪我をさせてしまいます。
ヘッドホンで音楽を聞きながら自転車に乗ると周囲の状況を聴覚でつかむことができ
ないのでぶつかる原因になります。「つい」を要因せず、絶対にダメだ、ということが大切です。
・会話の途中でスマホの画面をちょいちょい見る
既にスマホ依存症に近い状態です。ヒトと会話している最中なのに頻繁にスマホをチ
ェックしたり、LINEやメールに返信したり、これはマナー違反です。
なによりもスマホのメッセージに答えることを優先しているといっても過言ではありません。もちろん緊急の要件があるときは別ですが、常にそんな状態にある人が増えています。
会話が途切れたり、会話の段落を感じて、お互いがタイミングを見てスマホを見るな
ど、最低限の気配りは必要です。
・説明会や会合の途中でスマホを見る
これも前項と同様です。主催者や講師、周囲の参加者に失礼にあたります。会合に参加している間くらいは講師や周りの意見に集中するべきです。
ここで紹介したのはマナーの一部であり、著者の主観です。どういうルールを作るか、というより、親同士や親と子でマナーについて意見を交換したり、周囲の迷惑を考えてマナーを守る意識を持つことの方が重要であることは言うまでもありません。
■ 子どものスマホ使用にルールは必要? 今年の3月に日本経済新聞社 日経電子版が実施した「子どものスマホ、いつから解禁しますか」などのアンケートの結果が3月に公開されました。
その質問に対しては「高校生になってから」が最も多く44%、
次点は「中学生」の16.7%、
「小学生」は約11%で、意外と多い結果でした。
高校生になると行動範囲が拡がるため、スマホやケータイなどの通信手段が必要と感じる親御さんが多いようですね。
ケータイではなくスマホにした理由はやはり子供の希望で、
人気のゲームや「LINE」などのアプリがスマホでなければ使えず、「友達が持っ
ているから」との理由で仕方なく
という状況も多いようです。
その際、スマホ使用にルールを決めるか、との設問は約8割が「ルールが必要」と
答えています。
ルールの内容については
・月額使用料と一日のうちの使える時間帯を決める
・アプリ等のダウンロードは勝手にしない(親に確認してから)
・食事中や歩くときはスマホは使用しない
・他人を中傷する内容をメールやメッセージは書かないこと
・パスワードは親に伝えること
などです。
ルールは決めない派の方の意見としては
・決めても子どもは勝手にルールを破るもの
・ルールで縛るよりも、子どもが何を考えているかいつも把握できるような
オープンな関係が必要
・子どもが最新技能をどう使うかを親がすべてコントロールするのは非現実的
などです。
このアンケート結果、あなたはどう感じたでしょうか。
■Text : 神崎洋治 (ITコラムニスト) |