スマホ依存症になるのはなぜ?
会話の方法が短文メールのやりとりに変わってきたことが原因のひとつです。
スマホ依存症にもいろいろな種類がありますが、保護者にとって最初に気になるのはこんなパターンではないでしょうか。
食事のときもテレビを見ているときも、
片時もスマホやケータイを手放さず、
ほっとくと、一日中でもなにやら頻繁にメールなどの
キー操作をしている…
そんな感じですね。
本人にしてみると、友達とただ会話をしているだけなんです。
短文のメールでつぶやくように送受信を繰り返します。
AさんとBさんがこんな感じで。
A: 今、テレビみてるよ、8チャン
B: ××さん出てる、超ウケる
A: なにげに髪型変わってない?
B: まじか~
内容はともなく(^^;)こんな感じですね。
この例だと、テレビを見ながらスマホで会話しているのでスマホとテレビの「ながら」視聴…周囲から見れば「どちらかに集中するばいいのに・・」と感じますよね。更に、こんな短文のやりとりなので、受信したらすぐに返事を返さないといけない、だからケータイやスマホをいつでも握りしめているわけです。
また、このような会話を同時進行的に、複数の友達としています。
つまり、例えばAさんは、Bさん、Cさん、Dさんの3人と、別々の話題で同時進行でメールをやりとりして会話します。
だからAさんはひっきりなしにメールを受信し、それに対してひっきりなしに返信することになります。
本人にしてみれば、やっていることは実に普通の会話、というかメールの送受信の繰り返しなのですが、周りから見ると、片時もスマホを手放さない、依存症になるのです。
時代が違うと子供の行動が理解がしずらい
世代によってコミュニケーションのしかたは大きく変わります。
例えば、夜遅くまで友達と長電話をして親に叱られた、という世代の方もいるでしょう。
親には「電話するくらいなら会って話しなさい」なんて言われたかもしれません。
その世代の方の子供達のコミュニケーションの方法は短文メールのやりとりなのです。
パソコンやインターネットの世界ではよく「チャット」と呼ばれる手法に似ています。
1行ずつリアルタイムで文字の会話をするそんな手法です。LINEやスカイプでグループと呼ばれるものはパソコンではグループチャット、などと呼ばれていました。
ケータイでは短文メールでやりとりする方法が主で、ショートメールと呼ばれていました。以前は同じケータイ会社でないと通信できない、という時代があって、それがある程度の歯止めにもなっていました。
しかし、スマホでは、短文メールがケータイ会社を問わずできますし(ケータイも今ではできるようになりましたが)、更にLINEのトーク機能などメール以外でも、短文でやりとりする方法はいくらでもあります。
短文メールというか、短文トークというか、チャットというか、連続した繰り返しの文字会話がよりしやすいという点で、ケータイよりも更にスマホ依存症になりやすいのです。
簡単なルールを作って意識を高める
本人は普通にメールで会話しているだけですので、悪いことをしているはもちろん思っていません。だから一層、陥りやすく、自覚症状がありません。
保護者もLINEにハマっているという場合を除き、通常は保護者はなぜ子供がスマホを片時も手放さないのか理解できません。
そうなるとお互いが良い方向には進みません。
そこで解決策として、
・食事中はスマホを見ない
・テレビや勉強中はスマホを見ない
または時間を区切って見る
・メール等のやりとりは22時まで
などのごく基本的なルールを作り、けじめを意識することから始める…
身近で当たり前のことから目を向けてみるとよいと思います。
■Text : 神崎洋治 (ITコラムニスト)