F値が少ない、明るいレンズの利点とは?
前回「F値でカメラやレンズを比べる方法」で、レンズ性能を見るのに「F値」を比べてみる方法を解説しましたが、では、明るいレンズだとどんなメリットがあるのでしょうか?
詳しくはおいおいと解説していきますが、ここではデジタルカメラの機種選びのためにざっくりとお話しします。
明るいレンズほど暗いシーンに強い
撮影する場所がいつも日がサンサンと当たっているとは限りません。
光が足りないと手ぶれや被写体ブレの原因になります。
例えば、室内での撮影。
体育館での何かの発表会やスポーツの撮影を行う場合、被写体も動くので、ブレた写真にならないようにするにはシャッター速度を速くして撮影したいところです。しかし、体育館の中が暗めだと光が足りないため、シャッター速度を速くすることはできません(真っ暗な写真になってしまいます)。
しかし、レンズが明るく、より多くの光を取り込むことができるなら、少しでもシャッター速度を速めに設定できるのでこれらのブレを防ぎやすい、のです。
同様にブログなどに掲載するために飲食店で撮影する際、お店が暗く、フラッシュも使えない、という状況だと、写真がブレて失敗写真になってしまいがちです。特にバーや照明が暗いレストランなどで写真を撮るのは手ぶれに注意が必要です(下の写真)。
そんなとき、明るいレンズのカメラの方が、すなわちF値が少ないレンズのカメラを使った方がシャッタースピードが幾分かでも速くなるので、手ブレのないきれいな写真が撮影しやすい、ということになります。
そのほか、背景などのボケを強調した魅力的な写真が撮れる、などの利点があります。
著者: 神崎洋治 (Google+ ページにアクセス)
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