説明員に聞くパナソニックブースのみどころ
パナソニックは4K動画撮影に対応したミラーレス一眼「DMC-GH4」を展示しました。
デジタルカメラ好きにとってはなんといってもこれがトピックですね。
このカメラ、「空間認識AF」という新しいAFシステムが導入されています。そのしくみを解りやすく解説します。
初の4K動画撮影に対応したミラーレス「DMC-GH4」
4Kは次世代の高解像度テレビの規格で4096×2160や3840×2160の解像度等のことです。(現在のフルハイビジョンは1920×1080、地デジは1440×1080)
つまり、デジタルカメラでありながら、コンスーマ向けビデオカムでもまだ対応していない4Kの超高解像度撮影に対応している機種なのです。
ただ、4Kビデオ撮影がすぐに実用的になるかというと課題がまだあります。高画質を写す4Kテレビの普及がまだであること、通常のSDカードでは転送速度が遅すぎるため、新開発のSDカード(UHS Speed Class 3)が必要なこと、等です。
それでも同社はプロユースの4K撮影市場も視野に入れ、インターフェイスユニットも用意する予定です。同社は次世代4K市場でリードしたい考えです。
新しいAFシステム「空間認識AF」
このGH4機種には新しいAFシステム「空間認識AF」が導入されています。
AF速度はCIPA基準で0.07秒です。
これはコントラストAFの一種で、これまでのコントラストAFはピント位置をズラして舐めながら合焦位置を探るのに対して、空間認識AFはボケた画像を解析することで大まかに測距し、計測したピント位置に一気に移動、最終は最高コントラスト位置を探って合焦するしくみです。
例えば奥に合焦位置があるとすると、コントラストAFでは手前からピント位置をズリズリと探っていくのに対して、空間認識AFはボケの程度からある程度ピント位置が奥めにあることを判断してピョンと奥に飛ばし、最終調整で高コントラスト位置を探ってピント合わせ、という違いです。
このようなしくみのため、空間認識AFはレンズごとのボケの特性情報が必要です。そのため同社製のレンズでないと空間認識AFは動作しません。
著者: 神崎洋治 (Google+ ページにアクセス)
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