ここまでのおさらい
ここまで、夜景やイルミネーションをきれいに撮る方法を解説しました。
主なポイント別に並べますと・・
- 夜景やイルミネーションをきれいに撮る方法
鮮やかに撮りたいなら「明るく撮る」こと
イルミ撮影には一眼レフとスマホのそれぞれの良さがある - スマートフォンでの夜景やイルミネーション撮影テクニック
スマホでも露出を明るく補正して撮る方法
撮った写真はそのまま使わずに、明るさを調整する - HDR撮影は夜景やイルミ撮影に有効か?
さて、スマホで撮るメリットはなんといっても夜景撮影用のアプリが使えること。今回は専用アプリ「夜撮カメラ」を使うとどんなイルミネーションが撮れるかをやってみたいと思います。
最初に種明かしをしますと、第一回「夜景やイルミネーションをきれいに撮る方法」の最後に紹介したこの写真、下の煌びやかな写真はアプリ「夜撮カメラ」を使って撮った写真です。
夜景撮影アプリとは?
スマートフォンでの撮影の最大の特徴はアプリが使用できること。
これは卑怯なことでもなんでもなく(*^_^*)、デジタル写真の世界ではより実際の風景に近い写真に補正することは大切なテクニックのひとつです。
また、感銘を与える写真に演出したい場合もあるでしょう(この場合は多少盛っちゃうってことかな(^^;)。盛る度合いが課題ですね)。
さて、今回使った「夜撮カメラ2」はiPhone用とAndroid用にリリースされている夜景撮影用アプリです。各種補正機能も備えていて、撮った後で見た風景に近い煌びやかな夜景から、盛り過ぎの補正までできます。
[夜景撮影アプリの主な機能]
- 手ぶれを防ぎ、ノイズを抑えてピントのはっきりした写真を撮る
- 見たままに近い、煌びやかで鮮やかな明るさに補正する
なんてことが手軽に実現できるのです。
もう少し、実際の効果を見てみましょう。こんな感じです。
それぞれ、上がiPhoneの標準カメラで撮影した写真、下が「夜撮カメラ(夜撮カメラ2)」で撮影して補正した写真です。明るさ、鮮やかさの調整はアプリの操作でできます。違いが解りやすいように鮮やかめに補正してあります。
[作例01]
[作例02]
今回はiPhone 5を使っていますが、実はiPhone 5は、裏面照射型イメージセンサーという、暗いところでも綺麗に撮りやすい撮像素子を採用しています。それプラス、アプリのチカラで感動を写真に表現しています。
> 夜撮カメラ2 (iPhone用)
> 夜撮カメラ2 (Android用)
電子式手ぶれ補正の解説と操作方法
手ぶれ補正を防ぐしくみとして、一回のシャッターボタンで連写してメモリ上にため、複数の写真を合成したりしてノイズと手ぶれのない(少ない)写真にするという技術を使っています。
これは「電子式手ぶれ補正」の一種です。通常、デジタル一眼では手ぶれ補正レンズを内部で動かして手ぶれを打ち消すなど(光学式手ぶれ補正 : レンズシフト方式の例)の大変高度な技術が使われていますが、電子式というのは複数の画像をメモリ上に一時的にためて、それら画像を解析することでブレた部分を算出し、ブレのない状態に画像補正&合成する、という、デジタルならではしくみなのです。
そのため一枚の撮影でも、何枚も自動撮影するため、シャッターボタンを押した後も数秒はスマホをジッと構えた状態でホールドしておいてください。
撮影が終わったら撮れた写真が画面に表示されますので確認します。
- 「明るさ」「コントラスト」「彩度」「バランス」が調整できます
- 明るさ調整で、最も簡単な操作方法は「Original」「Normal」「Bright」をタップし、画面で違いを確認して決定する方法です。
- 明るさ、ハイライト、シャドウをそれぞれスライドバーで調整することができます。
日本語のアプリですし、画面上で違いを確認しながら調整できるので、それほど操作に迷うことはないと思います。なお、無料版と有料版があり、無料版の場合は保存できる画像のサイズに制限があります(小さめ)。
ぜひ、感動を共有できる素敵な写真を撮ってみてください(*^_^*)
著者: 神崎洋治 (Google+ ページにアクセス)
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