メリー・クリスマス!!
夜景やイルミネーションが綺麗な季節になりましたね。
クリスマスや年末年始にあわせて、各地でイルミネーション・イベントも開かれ、息を白くしながらもワクワク気分で参加してしまうという人も多いことでしょう。癒されますよね。
そこでいつも課題になるのが、「イルミネーションが綺麗に撮れない」「夜景をきれいに撮りたい」というもの。
どうやったら夜景やイルミネーションをきれいに撮影することができるでしょうか。
そこで、今回は週刊デジマガ式「夜景やイルミネーションをきれいに撮る方法」を紹介します。ポイントは「明るく撮る」ことです。
明るく撮るってどういうこと?
ここ数年、よみうりランド(神奈川県川崎市)では「ジュエルミネーション」が開催されていて、そこで撮った実際の写真をいろいろと見比べながら解説しましょう。
まず、最初の写真はこれ。綺麗ですね~♪。
これはこれで綺麗だとは思いますが、きっと直に見ているときはもっときらめいて見えていたことでしょう。
「このイルミネーション風景を写真に残したい」と願って、カメラやスマホを向けてシャッターを切ったおそらく多くの人がこういう感じの写真になって、やや満足、でももっと綺麗なのになぁ、と感じるのではないでしょうか。
そこでこれ。
明るさがアップしていることが解るでしょうか。
電球はより大きく輝き、全体的に明るくてバックの建物のライトアップもイルミネーションも鮮やかに見えますよね。
Facebookやブログに載せたり、誰かにメールで送るなら、これくらい実際の煌びやかさに近い写真がいいですよね。
これが明るさの違いです。
一眼レフやミラーレスなら「露出補正」で明るさをアップさせて撮ることでこのような写真になります。
コンパクトデジカメやスマホなら「夜景」モードで撮ると似た感じの写真になります。
ちなみにこの作例はコンパクトデジカメの「夜景」モードで撮影しました。
ここで注意点、一層、手ぶれに注意する、ということです。
ただでさえ暗いのに、明るく撮るということは、カメラやスマホは、よりシャッター速度を遅くして光を長く取り込む必要があります。
フラッシュは使わない
カメラを全自動でしか使っていないという人の問題点はフラッシュやストロボが自動で発光すること。夜景やイルミネーションの撮影にはフラッシュは使用しません。オフにして撮影します。
「明るく撮る」というとフラッシュを使うことを発想する人も多いと思いますが、これは逆効果です。フラッシュが発光すると近くの被写体は明るくなりますが、その明るさにカメラは自動的に露出を合わせるので、広範囲な夜景やイルミネーションは逆に暗くなります。
ただし、人物と夜景、人物を被写体にしてバックにイルミネーションを入れたい、という場合は別。この場合は、フラッシュを使わないと人が綺麗に写りません。
その場合、カメラのシーンモード機能で「夜景&人物」を選択して撮影します(この機能の名前はカメラによって様々です。また、このモードがないカメラもあります)。人物も背景の夜景も両方とも綺麗に写すのは結構難しいことなので、そういうときにはカメラのチカラを借りるのが一番です。背景の夜景を綺麗に写すためにシャッター速度はやや遅めながら、手前の人物には弱めのフラッシュ光でゆっくりと光を当てて綺麗に撮る、というしくみです。専門用語では「スローシンクロ」と呼びます。
人が入った夜景を撮る場合、全自動でシャッターを光らせて撮っても撮れることは撮れるのですが、人がきれいに写れば背景のイルミネーションが暗くなり、背景のイルミネーションがきれいに撮れれば手前の人は明るすぎてノッペリした感じになってしまいがちです。そこのところを「夜景&人物」(スローシンクロ)では両方きれいに撮ることができるわけです。
スマホか一眼レフか
そもそも夜景を撮るのにはスマホと一眼レフのどちらが適しているのでしょうか?
答えは 引き分け です(ぬるい回答でスミマセン!!(>_<))。
一眼レフが良い理由
一眼レフの場合、使いこなしていれば、絞りを調整して背景などの光を玉のように丸くぼけた玉ぼけ写真で表現したり、各種フィルターを使ったり、シャッター速度を調整して技ありのイルミネーションの写真を撮るなどの、奥の深~い楽しみがあります。
使いこなし術はまたの機会に解説しますので、その他の一眼レフを推す理由はこうです。
夜景やイルミネーション撮影の失敗の理由は圧倒的に「手ぶれ」です。あたりが暗いので光が少ないため、昼間の写真より長い時間、シャッターを開けたまま光を取り込まなくては写真が撮れません。その間にカメラを持つ手が揺れると手ぶれになります。手ぶれを防ぐにはカメラをブレないようにしっかりと持って撮影することが大事です。それには三脚を使うのが一番ですが、ここではそれは割愛します。
暗くてもシャッター速度を速くする方法がひとつあります。カメラのISO感度を高く設定して撮ることです。一眼レフに限らず、ミラーレスはもちろんのこと、コンパクトデジカメでもできる機種もあります。ただし、それ(ISO感度を高く設定して撮る)を行うと手ぶれを防ぐことができますが、その代わり写真にノイズがのります。そしてこのノイズは、一般的には撮像素子が大きいカメラほど少なくて済みます。そのためコンパクトデジカメより、撮像素子の大きな一眼レフの方が夜景には向いているわけです。
そもそも全自動撮影が基本のスマホではISO感度の設定を変更できないこと、できたとしても一眼レフの方が圧倒的に撮像素子が大きいので、一眼レフの方がノイズが少ない写真が撮れる、ということになります。こうなるとスマホは完敗・・のように思えますが・・・
スマホにだって良い点はある
しかし、手軽に撮るという点に関しては圧倒的にスマホが便利ですし、スマホはアプリが使える、撮ってすぐ明るさ調整やレタッチができる、そんでもってすぐにFacebookやツイッター、ブログに投稿できる、等という一眼レフにはない利点があります。
特に、スマホのアプリは結構ハイテクなものもあり、意外と面白い写真や綺麗な写真が撮れるのです。
例えばこれ・・まずは普通にiPhoneで撮った写真・・・
それが、こんなに煌びやかになっちゃう(^_^)v
次回は、スマホを使って、夜景やイルミネーションをきれいに撮ったり補正する方法を解説します。
> スマートフォンでの夜景やイルミネーション撮影テクニック
著者: 神崎洋治 (Google+ ページにアクセス)
メールマガジン(無料)に登録してください。週刊デジマガの更新時にお知らせします。一緒に勉強しましょう!!
【新発売】 2013年12月19日
書籍「体系的に学ぶデジタルカメラのしくみ 第3版」
週刊デジマガでこのコラムを執筆している著者の最新作。デジタルカメラの構造から撮影のしくみ、撮像素子、レンズ、画像エンジン、記録メディア、手ぶれ補正、ライブビュー、顔検出、デジタル画像の基礎知識、仕様表の読み方まで解説。デジタルカメラを初めて使う方からデジタル一眼レフやミラーレスを使用している写真愛好家の方まで必携の1冊です! (日経BP社刊 神崎洋治/西井美鷹著)