ハイアングルとローアングル

アイレベルとアングル

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撮影テクニックと言っても、難しい話しは後回しにして、誰にでもできる簡単な撮影テクニックから、まずは解説します。

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前回の写真を飽きずにまだ使いますが、この写真の上(写真A)と下(写真B)の最も大きな違いはカメラの「アングル」です。

アングルとは写真を撮るときの被写体とカメラとの角度、位置関係です。「ハイアングル」や「ローアングル」という言葉は聞いたことがありますよね。。

写真を撮るときに、カメラやスマホを構えてただシャッターボタンを押すだけでなく、まずは前回解説したように、目線を考えてみましょう。
自分目線でいいのか、そこに被写体への気配りはあるのか? と。
カメラを構える位置によって目線は大きく変わります。

ブログやFacebookであまりさえない写真を撮っている人の多くは、写真Aのように自分の見ている位置、つまり目の位置(自分目線)でカメラやスマホを構えて撮っているんです。

実際、Facebookやツイッターの投稿にはこういう写真が多いでしょ。
これを専門用語では「アイレベル」のアングルと呼びます。

大雑把に言うとそれより高く構えることを「ハイアングル」、低く構えるのが「ローアングル」です。

実践としては、まずは1枚、写真Aのようにアイレベルで撮ってみましょう。
これはこれで全体像を写したり、大きさが解るという利点があります。
いわば記録写真として撮ります。

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そして、次に写真Bのようなアングルで、すなわちローアングル、被写体に目線を合わせたアングルでも撮ってみましょう。
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自然と構図も意識するようになるはずです(構図についてもこれから解説します)。
これだけでも写真に大きな違いが絶対に生まれるはず。

まずはそこからスタートしてみましょう。

もちろん、構図についてのセオリーや上達するテクニックは次回以降、しっかり解説しますのでお楽しみに。

まずは、違う目線で撮ってみること。
今回はローアングルで、更に全体像ではなく、スイーツの美味しいところが目立つような構図で撮った例を紹介しました。

やってみるとそこにきっと「気づき」が生まれます。

次ページは・・

著者: 神崎洋治 ()


【新発売】 2013年12月19日
書籍「体系的に学ぶデジタルカメラのしくみ 第3版」 
book-dc-250週刊デジマガでこのコラムを執筆している著者の最新作。デジタルカメラの構造から撮影のしくみ、撮像素子、レンズ、画像エンジン、記録メディア、手ぶれ補正、ライブビュー、顔検出、デジタル画像の基礎知識、仕様表の読み方まで解説。デジタルカメラを初めて使う方からデジタル一眼レフやミラーレスを使用している写真愛好家の方まで必携の1冊です! (日経BP社刊 神崎洋治/西井美鷹著)

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スイーツを美味しそうに撮るには? 上から目線じゃダメ、スイーツ目線で被写体に気配りを(*^_^*)

どっちの写真がおいしそうに見えますか?

 

今まさに、ブロガーが目の前にあるスイーツの写真を撮ろうとしている・・

または・・

店長に言われて、お店のホームページに掲載するために、
ショップの店員が新作スイーツの写真を撮ろうとしている。

よくありますよね、こういうこと。

そのとき、この写真A ↓ と・・・

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この写真B ↓ ではどちらが魅力的でしょうか?

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普通の写真とおいしそうに見える写真の違いとは

 

どちらもiPhone 4Sを使って、同じ場所で同じスイーツを撮った写真。

撮り方によってずいぶんと印象が違います。

最初の写真Aはスイーツの全体像を写した写真。

定食のセット内容やボリュームを正確に伝える、
そんな意図でお店メニューに使うならいいんだけれども、
なんともインパクトに欠けるし、美味しそうには見えない。

なんでか?

スイーツをいつもの 上から目線 で見てるから・・

上からとは、偉そうですね、マリコさんでもあるまいし。

被写体への気配りがない。
愛がないから、写真そのものの魅力や「おいしそう~♪」という印象に欠ける(^^;)。

一方で下の写真Bは、上から目線で眺めるのをやめて、スイーツの目線で語りかけるように撮っている(スイーツに目はない、あなたもスイーツには目がない?)。

もう一回、見比べてみましょうか
こんな感じ・・
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まぁ、あれですよ・・
子供と仲良しになるには目線を合わせろ、ってアレ。

写真Bは、スイーツの全体の大きさは解らないけれども、
スイーツの具材に近寄り、より内面を視ようとしたとき、
初めてそのみずみずしさが表現できる。

更に、この例ではスイーツの前後がきれ~いにボケて、写真としてもカッコイイ・・思わず「おいしそう~♪」と見入ってしまう気がする。
このボカした感じは写真表現の魅力のひとつでもあります。

ブログやネットショップの写真で載せたり、お店に足を運んでもらうために掲載するとしたら、大仰な自分目線の態度で撮った写真Aよりも、スイーツと同目線で撮った写真Bの方がスイーツの美しさを表現できるとともに、写真にも魅力が出る、という話し。

このふたつの写真、最も大きな違いは「構図」と「アングル」です。

構図やアングルはプロが使う一眼レフであろうが、初心者向け一眼レフだろうが、コンパクトカメラやスマートフォンだろうが関係なく、上手な写真を撮るための基本でありとても重要なことです。ぜひとも、知っておきたいこと。

ところが、その基本的なことを知らない人も意外と多い。
Facebookやツイッターに投稿する写真も、記事を見てくれる人には「きれい!!」とか「おいしそー」とか、やっぱり思ってもらいたいもの(^_^)v

だから、この講座でもこれからじっくりと解説していきます。

あ、記事は頻繁に更新し、更新したらみなさんに読んで頂きたいので、メールマカジンやFacebook、ツイッターでお知らせしますので、ぜひ登録してください。

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ネットショップ&ブロガーがワンランク上の写真を撮るための撮影テクニックをプロが教えます

写真の撮り方でスイーツの印象って全然ちがう

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「ランチなう」
「ティータイムの楽しみ~♪」

こんなつぶやきと一緒に投稿するとしたら、上の写真と下の写真ではどちらが魅力的でしょうか?

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どちらも同じ場所で同じスイーツを撮った写真です。

もちろん一長一短はあるけれど、下の写真の方がおいしそうに見えますよね。
ネットショップでスイーツを購入するとき、下の写真の商品を購入したくなるのではないでしょうか。

ブログを持っている人、「ブロガー」の中には、こんな風に料理やモノの写真を撮って載せている人がたくさんいますよね。

中には毎晩のように食生活を画像にして公開している人もたくさん・・。
それに、いまやFacebookでは写真を貼るのが当然のような雰囲気さえある・・。
ツイッターもしかり・・

 

オンラインショップでは製品写真が命

 

オンラインショップやオークションなどで、自分で商品写真を撮影している人にとっては、写真が命・・・。

写真の善し悪しが売上げに直接関係することになります。

ユーザーが写真と文字の説明を頼りに商品を注文するオンラインショップでは、写真の善し悪しがアクセス数や注文数に大きく影響することが知られています。

魅力的な広告と同じように、魅力的な写真は人を惹きつけるチカラがあるからですね。
冒頭の例はいわゆる「構図」やカメラの位置の違いがポイントです。

更に次の写真は明るさやコントラストによって違いが出る例です。
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そこでこの講座では、きれいな写真を撮るためのノウハウを真面目に、かつ、ライトにご紹介したいと思います。

プロ向きではありません。素人向きです。
しかも、すぐに効果が実感できます。(できると思います)

まず持って、露出がどうの、とか、ライティングがアレだとか、の話しは二の次で
簡単にキレイな写真をとるための「気づき」が中心です(*^_^*)

スマートフォンやパソコンでチャチャっと綺麗に撮る方法も解説します(^_^)v

素人がキレイに撮るための気配りや簡単必勝アイテム、アプリなどを紹介したりします。

  • ちょっとした工夫で写真が見違えるようにキレイになる方法
  • ワンタッチで写真をキレイにするアプリ
  • スマートフォンのカメラ機能と一眼レフの違い
  • 今流行のミラーレスし一眼レフとどう違うの?
  • 実はプロはこういう小道具を使っている… などなど

こんな感じで、キレイな写真を撮るための簡単なノウハウをはじめとして、カメラのしくみを初歩から解説したり、カメラの機種選びが自分でできるようにカタログに載っているアレコレを解説したりします。

さぁ、一緒に勉強していきましょうね。

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「F4」(全域)と「F4-5.6」(範囲)の違い

F4-5.6 という範囲が意味すること

ところで、「EF70-200mm F4L IS USM」158,000円と「EF70-300mm F4-5.6 IS USM」68,000円は同じF4なのにどうしてこんなに値段が違うのだろう? と疑問に感じる人もいるでしょう。

レンズの商品名にある「EF70-300mm F4-5.6」の意味は、70mm~300mmの望遠ズームができますが、F値は70mmのときがF4で、300mmの超望遠にするにしたがって段階的にF値はF5.6まで落ちてしまいますよ、という意味です。それで「F4-5.6」と範囲で示されているのです。

一方、「F70-200mm F4」の意味は、70mmでも200mmでもどんなズーム(焦点距離)を使っているときも「F4」ポッキリですよ、という意味です。これを「全域でF4」と呼びます。

レンズを開発する上でこの違いが実は大きいのです。
「望遠側にズームすれば暗くなる」というのは言わば当然のこと、それを全域で明るさが変わらない、しかもクリアなレンズを作る、というところはメーカーの技術の見せどころなのです。生産にも精度が要求され、手間もかかかります。

特に「全域でF2.8」はニッパチと呼ばれて、特に難しく、一眼レフ用のズームレンズとしては明るく高性能、だから高価とされている分野なのです。

 

ズームにすると手ぶれしやすい?

さて、お手元の・・ご自身のレンズを見てみましょう。
下の写真は前々回「どちらが高級なレンズでしょうか?」に登場した小さい方のレンズです。

一眼レフの場合、このようにレンズの枠や周りにズーム倍率やF値が書いてあるんでしたね。この例の場合は、ズームが80mm~200mm、遠くを撮るのにも便利な望遠です。そしてF値は、比較的近くを撮る80mmにしているときはF4.5ですが、望遠の200mmではF5.6とやや暗くなります。

おや?
「EF70-300mm F4-5.6」を使っている場合、70mmのときはF値がF4でも、300mmの超望遠にしたときはF5.6に落ちてしまうということは、望遠を使う方がブレが出やすいということ?

そう思った人は鋭い!!
そうなんです。

そもそも、望遠になればなるほど、わずかな手の揺れでも大きく揺れて手ぶれがしやすいのですが、それとともにこのようなF値に範囲があるレンズの場合は、望遠側の開放F値は大きくなり、暗くなってしまうので、シャッター速度が遅くなります。(全域F値が変わらないレンズの場合は別です)

望遠ズームで寄ればキレイな写真が撮れるってものでもないんです。
次回以降はそのあたりにも迫ってみましょう。

今回は「キレイな写真を撮りたいならF値と明るさで選ぶ」という考え方もある、というお話しでした。次回もお楽しみに♪

著者: 神崎洋治 ()

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レンズのF値と価格と性能の関係

白いレンズが憧れの(*^_^*)?

前回は、

  1. F値が少ないレンズほど明るいレンズである
  2. 明るさについて言えば、F値が少ないレンズほど性能が良い
  3. F値が少ないレンズやカメラほど、写真のブレが少ない

という話しをしました。

今回は、そのあたりをもう少し詳しく解説しましょう。

プロが使うレンズはなぜ高い? F値と明るさと価格の関係

1.F値が少ないレンズほど明るいレンズである

カメラと撮影技術を知る上で、F値には2つの意味があります。
ひとつは使っているカメラのレンズの最大の明るさを示す数値、ちょっと難しく言うと、絞りを完全に開いたとき、絞り開放時の明るさを示し、それはすなわち、”明るさ”について言えばレンズの性能を表わす数値ということです。

もうひとつは撮影時の絞り値のこと。これも写真の露出、すなわち明るさに関することなんだけど、撮影術についてはまた後日、ゆっくりと解説しますね。

2.明るさについて言えば、F値が少ないレンズほど性能が良い

もともとカメラやレンズの「性能」というのは明るさ「だけ」ではかるべきものじゃあありません。しかし、カメラやレンズの性能をみる上で「F値」はとても重要な要素になります。

ちょっと脱線しますが、もし自動車のカタログに「最高速度」という数値が載っているとしたらどうでしょう。かたや(時速)300km/h、もう一方は200km/hだとします。スピードマニアの人が見れば、300km/hのクルマに魅力を感じますし、サーキットで実際にそのスピードで走りたい、と思うでしょう。また、実際に300km/hで走らない人でも、それだけ走れるエンジンなら、高速道路でも街乗りでも、余裕を持って気持ち良く走れるだろう、とそのクルマをチョイスするかもしれませんね。つまり、時速300km/hという数値は高速性を重んじる人には性能が良い、と判断して然りな要素であるわけです。

しかし、クルマの魅力はスピードだけではありません。居住性だったり、乗車定員だったり、燃費だったり、四輪駆動であることに魅力を感じる人、と様々です。それでいいのです。
これをレンズに置き換えてみると、明るいレンズというのはプロカメラマンやハイアマチュアの一部の人には「高いお金を出してまで欲しい」と思わせる要素のひとつ、魅力のひとつなのです。

 

事例紹介とレンズ選びの実践

実際に販売されているレンズで比較してみましょう。
事例紹介とレンズ選びの実践です。

ここに3つのレンズ製品があります。
一眼レフに装着するために市販されているレンズです。
いずれもメーカーはキヤノンです。

 レンズ名称  希望小売価格
 EF70-200mm F2.8L IS II USM  300,000円
 EF70-200mm F4L IS USM  158,000円
 EF70-300mm F4-5.6 IS USM  68,000円

※製品名をクリックするとアマゾンでの実売価格が確認できます。

EF70-200mm F2.8L IS II USM

ズーム 70~200mm
F値 F2.8

EF70-200mm F4L IS USM

ズーム 70~200mm
F値 F4.0

EF70-300mm F4-5.6 IS USM

ズーム 70~300mm
F値 F4~5.6

レンズ名称の最初の数値はズームの望遠を示しています。上の2つはいずれも70mm~200mmの望遠ズームレンズです。一番下だけ70mm~300mmですので、一番下が最も望遠がきく、つまり遠くの被写体を大きく写すことができる性能がある、ということです。

しかし、お値段をみてどうでしょう?
一番上のレンズは30万円もします。
2番目はほぼ半額の安さです。
そして、最も望遠で大きく写せるはずの一番下のレンズの価格は 1/4以下の安さです。

ズーム性能で言えば一番下が最も優れているはずなのに、一番上がスパ抜けて高価・・・その理由のひとつ、というか大きな理由がF値なのです。

一番上のF値はF2.8、二番目はF4、
一番下はF4~F5.6です。

これがF値が生み出す価値なのです。

もちろん、高いレンズと安いレンズでは「F値」だけでは語れない違いがありますが、あえて解りやすく、このような比較をしてみました。

ちなみに、ここで紹介したキヤノンのレンズ、高級なモデルは白いレンズボディが目印になっています。サッカー中継などで報道カメラマンが撮影する姿が見られますが、白いボディのレンズを装着している人が多いと思います(ニコン派の人は黒)。動きの早いスポーツ写真を撮るのには、少しでも早いシャッタースピードで撮りたい、そのためには明るいレンズに価値が出るのです。

 

コンパクトデジタルカメラもレンズをチェック

本来、コンパクトデジカメについてもレンズ性能はとても重要な要素です。しかも一眼レフのように後からレンズだけ交換することはできません。だからむしろ、コンパクトデジタルカメラこそ、機種選びをするときにF値は注目したい点なんですね。
コンパクトデジタルカメラで比較する例は「F値でカメラやレンズを比べる方法」で解説していますのでご覧ください。

著者: 神崎洋治 ()

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どちらが高級なレンズでしょうか?

どちらのレンズが高級品でしょうか?

ここに2本のレンズがあります。一眼レフ用のレンズです。
どちらも同じメーカー、キヤノンの一眼レフ用の交換レンズ製品です。
筆者の自前ですので、かなり古い製品になります。(ごめんなさい)

さて、この2本のレンズ、どちらが高級なレンズでしょうか。

どちらも望遠ズームです。
しかし、左の小さい方が、望遠の拡大率が大きいのです。
小さい方が80mm~200mmです。
大きい方は28~70mmです。

小型でコンパクトだから左側のレンズの方が高級?
いやいや、大きい方がプロッぽいから右側の方が高級?

どちらでしょうか?

正解は右側、大きい方です。
右側はプロがよく使用しているレンズです。

コンパクトな携帯性、望遠ズームの拡大率など、一見するとどう考えても左側の方が高級なレンズのように思えますが、右側の方がはるかに高級なレンズなのです。

見た目ではレンズの性能や価格は全く解らないですね。

右側のレンズが高級である大きな理由のひとつが
F値が低くて、明るいレンズ」だということです。

ちなみにはそれぞれのズーム性能とレンズのF値は

左側のレンズ(小)  80-200mm  F4.5-5.6
右側のレンズ(大)  28-70mm  F2.8

です。

著者: 神崎洋治 ()

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F値はカメラやレンズのどこに書いてあるの?

あなたが使っているカメラのF値はいくつ?

さて、あなた自身が愛用しているカメラのレンズのF値がいくつだか知っていますか?
それは開放F値といって、最もF値を少なく設定して撮影できる性能値です。
一般にレンズの開放F値はカメラやレンズに書いてあります。
一眼レフのレンズの場合はこんな感じです(下写真)。

一眼レフやミラーレスはレンズが交換式なのでレンズ自体に書いてあって、写真の例のように「1:2.8」とはF2.8であることを示しています。

コンパクトデジカメの場合は、レンズの周りに書いてあったり、レンズが本体と一体式なのでカメラ本体に書いてあるかもしれません。

注意点としては「F値がいくつ」とは書いていない場合があることです。

前述のように「1:2.8」がF値で「F2.8」を意味しています。80~200mmのレンズですが、どのズーム域でも開放F値がF2.8で変わらないことを示しています。

コンパクトカメラの場合も下の写真のように「1:XXX」と表記されている場合は「XXX」をF値に読み替えるとレンズの明るさが解ります。

 

今回はカメラの機種選びやレンズ性能を見るために、レンズの明るさを示す「F値」を解説しました。次回はF値にはなぜ「xxxx」~「xxxx」と範囲で書かれているものがあるのかを解説します。

また、実はF値は撮影時は「絞り値」として使われる数値です。そのあたりも今後の回でしっかりと解説していきますのでお楽しみに。

著者: 神崎洋治 ()

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明るいレンズの利点とは?

F値が少ない、明るいレンズの利点とは?

前回「F値でカメラやレンズを比べる方法」で、レンズ性能を見るのに「F値」を比べてみる方法を解説しましたが、では、明るいレンズだとどんなメリットがあるのでしょうか?

詳しくはおいおいと解説していきますが、ここではデジタルカメラの機種選びのためにざっくりとお話しします。

明るいレンズほど暗いシーンに強い

撮影する場所がいつも日がサンサンと当たっているとは限りません。
光が足りないと手ぶれや被写体ブレの原因になります。

例えば、室内での撮影。
体育館での何かの発表会やスポーツの撮影を行う場合、被写体も動くので、ブレた写真にならないようにするにはシャッター速度を速くして撮影したいところです。しかし、体育館の中が暗めだと光が足りないため、シャッター速度を速くすることはできません(真っ暗な写真になってしまいます)。

しかし、レンズが明るく、より多くの光を取り込むことができるなら、少しでもシャッター速度を速めに設定できるのでこれらのブレを防ぎやすい、のです。

同様にブログなどに掲載するために飲食店で撮影する際、お店が暗く、フラッシュも使えない、という状況だと、写真がブレて失敗写真になってしまいがちです。特にバーや照明が暗いレストランなどで写真を撮るのは手ぶれに注意が必要です(下の写真)。

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そんなとき、明るいレンズのカメラの方が、すなわちF値が少ないレンズのカメラを使った方がシャッタースピードが幾分かでも速くなるので、手ブレのないきれいな写真が撮影しやすい、ということになります。

そのほか、背景などのボケを強調した魅力的な写真が撮れる、などの利点があります。

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レンズの比較 F値でカメラやレンズを比べる方法

レンズ性能の見方

「カメラの性能はレンズで決まる!」という人もいます。

デジタルカメラを買おう、と思っている人の中には、いくつかの機種を比較検討したり、迷っている方も多いことでしょう。

「同じ買うなら、きれいな写真が撮れるカメラがいいなぁ」
そう思うのは当然のこと。きれいな写真というと漠然としていますが、上級者ほど、明るいレンズでカメラを選ぶ、という傾向にあるようです。

明るいレンズ、それはカタログの「F値」(開放F値)を見ると解ります。

2台のカメラを比較するとF値が違う…どちらのカメラの方がレンズ性能がいいのだろう?
F値がどのように写真に影響するのだろう?
そこのところを今回から数回にわたって解説します。

まず最初に、カタログや仕様表を見てF値でデジタルカメラを比較してみましょう。

 

明るいレンズ = F値が少ないレンズ

F値が少ない方が明るいレンズです。

明るいレンズの方が手ぶれや被写体ぶれを防ぎ、きれいな写真が撮れる資質があります(もちろんカメラの性能は”明るさ”だけではありません)。

2台の機種をF値で比較することができます。F値で比べる場合、F値の数値が少ないカメラや、F値の数値が少ないレンズの方が明るさ性能は高いと言えます。

では、具体的にみてみましょう。

ここに2台のコンパクトデジタルカメラがあります。
オリンパスの「XZ-2」とニコンの「COOLPIX AW100」です。

それぞれの機種に付いているレンズの性能がカタログやホームページの仕様表に書かれていますのでチェックしてみます。
仕様表を見ると、それぞれ「開放F値」という欄に

 カメラ  開放F値
 オリンパス XZ-2  W1.8~T2.5
 ニコン AW10  f/3.9-4.8

と書かれています。メーカーが異なるせいか表記の仕方に共通性がないのでユーザーは戸惑いますね。この「W1.8~T2.5」、「f/3.9-4.8」がそれぞれのレンズの明るさ「F値」を示す数値の表記です。

すなわち、XZ-2のF値は1.8~2.5、AW100のF値は3.9~4.8で、F値を比べた場合、数値が少ないXZ-2のレンズの方が明るく、一般的には高性能なレンズに分類されるわけです。

もちろん、AW100は防水仕様やGPS搭載など、レンズ性能以外点で独特な機能や魅力がありますので、レンズ性能ではXZ-2に譲りますが、それがデジタルカメラの機能として劣るということではありません。

ちなみに XZ-2の「W1.8~T2.5」というのは、ズーム機能をワイド(W)にしたときはF1.8、望遠(T:テレ)にしたときはF2.5になるという意味です。AW100の「f/3.9-4.8」という書き方も実は同様で、ズーム機能をワイドにしたときはF3.9、望遠(T:テレ)にしたときはF4.8になるという意味です。

表記方法が統一された方がユーザには解りやすいですね。

【製品情報】

オリンパス XZ-2
http://olympus-imaging.jp/product/compact/xz2/spec/index.html
アマゾンで価格を見る

ニコン AW100
http://www.nikon-image.com/products/camera/compact/coolpix/allweather/aw100/spec.htm
アマゾンで価格を見る

著者: 神崎洋治 ()

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一眼レフ、ミラーレス、コンパクトカメラの比較

デジタルカメラは現在、主に3種類のカテゴリーに大別されています。

  • 一眼レフ
  • ミラーレス
  • コンパクトカメラ

 

一眼レフ

一眼レフはプロカメラマンも愛用し、写真を趣味にしている人が多く選択するレンズ交換式カメラです。
画質が良く、撮影に詳しくなると選択した設定やレンズで、自分の意図した写真を撮ることができるため、写真をより深く楽しむことができます。
とはいえ、主婦やお父さんが気軽に扱えない、というシロモノではありません。我が子の運動会を手軽にきれいに撮影できたり、特別な撮影の知識がなくてもきれいな写真が撮れるように、各種オートモードも充実しています。すなわち、プロの写真家はもちろん、機械が苦手な人や写真に詳しくない人でも利用することができるカメラです。
欠点はボディが比較的大きいこと。携帯性を重視するならオススメできません。

デジタル一眼レフの例
Nikon デジタル一眼レフカメラ D3200
価格: ¥ 51,800

amz-d3100-01

 

 

ミラーレス

ミラーレスは一眼レフと大きく構造が異なるものの、きれいな写真を撮る目的としては高性能なため、選択する人が激増しています。設定も自由に変更でき、レンズ交換式のため、一眼レフと全く同様に、シーンに合わせて自分の意図した写真を撮る工夫ができます。

ミラーレスデジタルカメラの例
OLYMPUS ミラーレス一眼 PEN mini E-PM2
価格: ¥ 37,800
amz-pen-01

 

 

コンパクトデジタルカメラ

軽量コンパクトがウリで、薄型に特化した機種もあります。レンズは交換できません。手軽に持ち歩いて気軽に撮るのに最適ですが、スマートフォンの普及と撮影機能の高機能化によって、存在価値が薄れつつあります。そこで最近は高機能コンパクトと銘打って、コンパクトでありながら高性能さを追求した、一眼レフやミラーレス顔負けの製品も登場しています。

コンパクトデジタルカメラの例
Nikon デジタルカメラ COOLPIX (クールピクス) S3500
価格: ¥ 7,500
amz-s3500-02

※各機種は2013年12月1週めの売上ランキング1位の商品です(価格はその時点のものです)。

 


著者: 神崎洋治 ()
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